多くの土地オーナーが知らない、自分の資産の真の価値
あなたは、今この瞬間、自分の土地がいくらの価値があるか知っていますか?
「だいたいこのくらい」という曖昧な感覚で、何千万円もの資産を持っている人は意外と多いです。相続の話が出たとき、銀行から融資を受けるとき、あるいは子どもたちの将来を考えるとき——そのとき初めて「あ、ちゃんと調べておけばよかった」と気づくオーナーさんを、私は何度も見てきました。
世田谷区上用賀1丁目は、都心へのアクセスも良く、閑静な住宅街として知られる地域です。でも、その土地がここ24年でどう変わってきたのか、客観的なデータで見たことはありますか?
私は不動産データアナリストとして、国土交通省が公開している地価公示データを長期間にわたって分析しています。特定の不動産会社に属さない立場だからこそ、純粋にデータが語ることを読み取ることができます。
今回は、上用賀1丁目の土地価格が過去24年間でどう推移してきたのか、公的データをもとに詳しく解説します。売る・売らないは別として、まずは自分の資産の真実を知ること——それが、賢い土地オーナーの第一歩です。
国土交通省データで見る、上用賀1丁目の24年間の軌跡
実際のデータを見てみましょう。

上用賀1丁目の地価推移は、東京の不動産市場全体の波動を映す鏡のような推移を示しています。
2000年時点では約518,000円/㎡だった土地の価値。その後、2000年代初頭の長期デフレの影響で緩やかに下落していきました。そして2008年のリーマンショック。この金融危機は、不動産市場に大きな打撃を与えました。上用賀1丁目でも、この時期に顕著な下落が記録されています。
しかし転機は2012年以降に訪れます。アベノミクスの開始、そして2013年の東京オリンピック決定——こうした要因が重なり、東京の不動産市場は大きく変わりました。上用賀1丁目の地価も、この時期から一貫して上昇トレンドに入ります。
最新の2025年データでは、771,000円/㎡に達しており、これは2000年比で48.6%の上昇を意味します。
特に注目すべきは、2010年の底値(425,000円/㎡)から2025年の771,000円/㎡までの15年間です。この期間だけで81.4%の上昇を実現しています。これは単なる市場回復ではなく、この地域の需要が着実に高まっていることを示す証拠なのです。
| 項目 | データ |
|---|---|
| 平均地価 | 771,000円/㎡ |
| 価格帯 | 771,000〜771,000円/㎡ |
| 調査地点数 | 1地点 |
| 24年間の変動 | +48.6% |
(出典:国土交通省 地価公示データ 2000年〜2025年)
このデータから読み取れることは、上用賀1丁目が長期的に見ても相対的に安定した価値上昇を遂行してきた地域だということです。リーマンショックやコロナ禍といった大きな市場変動を経験しながらも、最終的には着実に価値を高めてきた。これは、この地域の基本的な価値の強さを物語っています。
実際の市場では、どの価格帯で取引されているのか
地価公示データが示すのは「評価額」です。では、実際に土地が売買されるとき、どのような価格で動いているのでしょうか。
実際の取引価格データ(2022年〜2024年)
- 取引件数: 155件
- 平均取引価格: 約1億1千万円
- 価格帯: 830万円〜48億円
(出典:国土交通省 不動産取引価格情報)
過去3年間(2022年〜2024年)に、上用賀エリア全体で155件の土地取引が記録されています。
地価公示データが示す平均的な価値と、実際の市場で動く価格には、往々にしてギャップが生じます。このギャップこそが、「自分の土地の正確な価値を知る」ことの重要性を示しています。
実際の取引では、平均取引価格119,047,096円に対し、最安値は8,300,000円、最高値は4,800,000,000円という、極めて大きな幅が生じています。同じ上用賀エリアの土地でも、最高値と最安値では約578倍の価格差が存在するのです。
「平均価格がこのくらいだから、うちもこれくらい」——そんな単純な判断をしていると、数千万円単位の損失につながる可能性があります。あなたの土地は、この価格帯のどこに位置するのか。それは、地形、方角、道路付け、周辺環境など、個別の条件によって大きく変わるのです。
だからこそ、正確な査定が必要なのです。
なぜ今、あなたの土地の価値を知るべきなのか
「でも、別に売るわけじゃないし…」
そう思うかもしれません。でも、ちょっと待ってください。自分の資産の価値を知ることは、売る・売らないとは別の問題なのです。
理由1:相続対策で慌てない
親の世代から引き継いだ土地。その評価額が曖昧なまま相続の手続きに入ると、兄弟姉妹との間でトラブルになることがあります。「この土地、いくらで評価すればいいの?」という質問に、正確な答えがないと、話し合いが進みません。
今から正確な価値を知っておけば、相続税の試算もできますし、遺産分割の話し合いもスムーズです。相続は、予期せぬタイミングで訪れることもあります。その時になって慌てないために、今から準備しておくことが大切です。
理由2:資産の見える化で人生設計が変わる
銀行口座の残高は知っていても、不動産の価値まで含めた「自分の総資産」を把握している人は少ないです。でも、退職後の生活資金を考えるとき、子どもの教育資金を考えるとき、この「見える化」が重要になります。
上用賀1丁目の土地が771,000円/㎡の価値を持つということは、例えば100㎡なら約7,710万円の資産ということです。これを知ると、人生設計の選択肢が広がります。「実は、こんなに資産があったのか」という気づきが、その後の人生を大きく変えることもあります。
理由3:将来の選択肢が増える
「売る」「貸す」「建て替える」「住み替える」——土地オーナーには様々な選択肢があります。でも、その土地の正確な価値を知らなければ、どの選択が最適かを判断できません。
価値を知ることで、初めて「この選択肢は現実的か」「どのタイミングが有利か」という判断ができるようになるのです。例えば、「今なら売ってもいいな」と思うかもしれませんし、「思ったより価値があるから、子どもに残そう」と思うかもしれません。その判断の根拠となるのが、正確な価値なのです。
理由4:金融機関との交渉で有利になる
将来、銀行から融資を受けるとき、「この土地を担保にいくら融資できるか」という判断が必要になります。その際、あなたが土地の価値を正確に把握していれば、銀行の査定結果に対して「なぜこの価格なのか」という質問ができます。
交渉の余地が生まれるのです。知識のない状態での交渉は、相手のペースに巻き込まれてしまいます。でも、正確な情報を持っていれば、より有利な条件を引き出せる可能性が高まります。
「知らない」ままでいることの代償
あなたの土地が771,000円/㎡の価値を持つのに、もし「だいたい500万円くらい」という曖昧な感覚で判断していたら、どうなるでしょう。
相続のとき、売却のとき、融資を受けるとき——重要な決断の場面で、間違った情報に基づいた判断をしてしまう可能性があります。その結果、数千万円単位の損失につながることもあります。
でも、逆に考えてみてください。
もし今、正確な価値を知ることができたら。相続税の対策も、売却のタイミングも、融資の条件も——すべてが変わります。知ることは、選択肢を広げることなのです。
最初の一歩は「知る」こと
「売る」「売らない」の判断は、その後でいいのです。
まずは、あなたの土地の正確な価値を知ってください。国土交通省の公開データと、実際の市場データの両面から、客観的に判断することができます。
上用賀1丁目は、過去24年間で48.6%の価値上昇を遂行してきた地域です。その中で、あなたの土地はどのような位置付けにあるのか。それを知ることが、賢い土地オーナーの第一歩です。
自分の資産の価値を知ること。それは、決して売却を前提とした行動ではありません。それは、あなたの人生設計をより正確に、より自由に選択するための情報なのです。
まずは知ることから。その先の選択は、すべてあなた次第です。
データ更新日: 2025年12月04日
データ出典: 警視庁(犯罪統計)、e-Stat(人口統計)、国土交通省(不動産価格)
免責事項: 本サイトは情報提供のみを目的としており、不動産の査定・売買の仲介は行っておりません。掲載されている情報は参考値であり、実際の査定額や取引価格とは異なる場合があります。正確な査定をご希望の方は、不動産会社にご相談ください。

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